前回のエントリーの続きです。
あまりまとめる時間が無かったのでメモ程度になってしまいました。。
■短期記憶について
ワーキングメモリという考え方があります。
・言葉を保存する音韻ループ
・既知知識を保存するエピソードバッファ
・イメージを保存する視空間的記銘メモ
上記3つのワーキングメモリと、これをまとめて処理する中央実行系があり、人間はワーキングメモリを使って短期記憶をしているという考え方です。詳しくはWikipediaを参照してください。
詳細はWikipediaに任せるとして、最も重要なのはワーキングメモリには容量が存在し、人間は多くのことを短期記憶できないということです。マジックナンバー7もここからきています。
またテキストを読むとワーキングメモリがどんどん消費されるため、ワーキングメモリの容量の少ない人は、長文が読めない(長いメールを読まない)、文章が理解できないなどの問題が出てきます。
流行の「●●を実現するための3のポイント」というBlogタイトルや、Twitterなどは、このワーキングメモリを消費しにくいからこそ様々な人に好まれているのだと思います。
長文でのコミュニケーションが減っている中、もしかしたらワーキングメモリの容量は減少傾向にあるのかもしれません。
■ヒューリスティックス
問題解決する方法はいくつかありますが意識して考えなければいけないのが「ヒューリスティックス(経験則)」による解決法です。
大雑把に説明すると最終目標を小さい下位目標に分割して問題を解決に導く考え方ですが、基本的に問題を解決しようと思ったときには、この手法を使っていると思います。
これを意識的に出来るか、出来ないかで、問題解決スピードが変わってくるので、何か問題が発生したときには、下位目標を細かく書き出す癖をつけておく必要があると思います。
そしてこのヒューリスティックスは「経験」が重要になってきます。失敗を恐れず、色々な問題にぶつかるからこそ、問題解決のスキルが向上される。
ごくあたりまえですが改めて経験の重要さを感じます。
関連記事
・認知と感情の心理学1
2011年7月31日日曜日
2011年7月16日土曜日
認知と感情の心理学 その1
認知と感情の心理学 (心理学入門コース 2)という本をよんで、WEBにも使えそうな考え方があったので色々と考えをまとめてみました。
あくまで本を読み自分なりに解釈した内容になるので、本来の認知心理学の言葉の意味とは違ったり、そもそも勘違いしている可能性もありますが、細かいことは気にしない方向で書いてみます。
■感情について
感情は「気分」と「情動」の2種類があり、この違いを正しく理解することでユーザーがアクションしやすいコンテンツや機能を考えられるようになると思います。
・気分
いい気分、悪い気分のように漠然としている強度は弱いものの長期間続く場合もある。原因もはっきりしないし、身体的な変化も起こりにくい。
・情動
怒り、喜び、嫌悪のように細かい区分けが出来、強度は強いが短時間しか持たない。原因は特定できるし、身体的な変化も起きる。
ユーザーを何かしらのアクションに誘導させたいのであれば強い感情が必要なのでこの「情動」を生み出すのが重要です。
facebookのいいねボタンやTweetボタンなどはコンテンツを見て生み出された「情動」を思考を使わず他人に伝えることのできる手段だからこそ、多くの人が気軽に使っているのかと思います。
そう考えると、この情動を中心に考えるとサイトに必要な機能、コンテンツのアイデアが出やすくなりますね。
■注意について
注意には意図的注意と自動的注意があり、自動的注意を上手く利用するとユーザーの視線を制作者の意図通りに誘導しやすくなります。
この自動的注意を上手く活用し、ユーザーに必要な情報を早く見つけてもらうためには直接的な手がかりが有効です。
これはオブジェクト全体を光らせたり、色を反転させたりなど「空間を変えるような大きな変化」を見せることで実現可能です。
ECサイトでカートボタンだけ目立たせるのは、この直接的なてがかりを上手く活用している例だと思います。
■プライミング効果について
プライミング効果とは、先に受けた刺激が後に受ける刺激に影響するという効果です。
これを細かく分類した感情プライミング効果というのがあるんですが、この考え方も色々と活用できそうです。
例えばECサイトで商品が売切れてしまった場合、類似製品を表示しますが、これは「欲しかった商品が無くてショック」という感情から、「仕方がない。類似商品で我慢するか」という感情に誘導しています。
商品が売り切れてなければ、類似商品を欲しいと思う感情は生まれないわけです。
そう考えると、先行刺激で発生した感情を上手く転換している例とは言えませんか?
ユーザーのネガティブな感情を上手く転換するための、感情プライミング効果をしっかり考える必要があるのではないかと思います。
長くなりそうなので続きは今度書きます。
あくまで本を読み自分なりに解釈した内容になるので、本来の認知心理学の言葉の意味とは違ったり、そもそも勘違いしている可能性もありますが、細かいことは気にしない方向で書いてみます。
■感情について
感情は「気分」と「情動」の2種類があり、この違いを正しく理解することでユーザーがアクションしやすいコンテンツや機能を考えられるようになると思います。
・気分
いい気分、悪い気分のように漠然としている強度は弱いものの長期間続く場合もある。原因もはっきりしないし、身体的な変化も起こりにくい。
・情動
怒り、喜び、嫌悪のように細かい区分けが出来、強度は強いが短時間しか持たない。原因は特定できるし、身体的な変化も起きる。
ユーザーを何かしらのアクションに誘導させたいのであれば強い感情が必要なのでこの「情動」を生み出すのが重要です。
facebookのいいねボタンやTweetボタンなどはコンテンツを見て生み出された「情動」を思考を使わず他人に伝えることのできる手段だからこそ、多くの人が気軽に使っているのかと思います。
そう考えると、この情動を中心に考えるとサイトに必要な機能、コンテンツのアイデアが出やすくなりますね。
■注意について
注意には意図的注意と自動的注意があり、自動的注意を上手く利用するとユーザーの視線を制作者の意図通りに誘導しやすくなります。
この自動的注意を上手く活用し、ユーザーに必要な情報を早く見つけてもらうためには直接的な手がかりが有効です。
これはオブジェクト全体を光らせたり、色を反転させたりなど「空間を変えるような大きな変化」を見せることで実現可能です。
ECサイトでカートボタンだけ目立たせるのは、この直接的なてがかりを上手く活用している例だと思います。
■プライミング効果について
プライミング効果とは、先に受けた刺激が後に受ける刺激に影響するという効果です。
これを細かく分類した感情プライミング効果というのがあるんですが、この考え方も色々と活用できそうです。
例えばECサイトで商品が売切れてしまった場合、類似製品を表示しますが、これは「欲しかった商品が無くてショック」という感情から、「仕方がない。類似商品で我慢するか」という感情に誘導しています。
商品が売り切れてなければ、類似商品を欲しいと思う感情は生まれないわけです。
そう考えると、先行刺激で発生した感情を上手く転換している例とは言えませんか?
ユーザーのネガティブな感情を上手く転換するための、感情プライミング効果をしっかり考える必要があるのではないかと思います。
長くなりそうなので続きは今度書きます。
2011年7月4日月曜日
人の話を聞く
ファシリテーションをより深く知るために「プロカウンセラーの聞く技術」を読んでみました。
前の記事と通じるところも多いんですが、心のケアを目的としたカウンセラーでは考え方が違う部分があったため違う確度から「聞く」を学ぶことができ、参考になりました。
詳細は本を読んでいただくとして、気になった点をいくつか上げます。
■「しかし」「けれど」「でも」などの逆接の接続詞を出すと聞き手としては失格
聞き手は意見を言ってはいけないため。これは相手の意見を引き出すときに重要な考え
■相手からされた質問は「自分のことではなく、相手に関することがほとんど」
自分の聞いて欲しい話を、相手に質問する形で述べる。この手の質問には自分の意見を話す必要が無い。
■答えられない質問、答えがいくつもある質問こそ、大切な質問
「分からない」「難しい」も1つの答え。答えられない質問には答えないで相手の心を聞くのも重要
■素直に聞く
意見を言わずに、素直に聞く例
息子:「うちの学校の教師はアホばっかりだ」親:「へえ、お前の学校の教師はアホばっかりなのか」息子:「親父もそう思うか」親:「そら、そうだ(お前がそう思っているのだから、お前の中ではそうなんだろう)」
■オープンになる
相手に偏見を持たずに素直に受け入れること「あなたがそう思っているのであれば、あなたにとってはそうなんでしょ。」
■対等であれ
聞く態度の基本は聞き手と話し手が対等な関係にあること。それは話し手が子供であってもそう。
■言い訳をしない
⇒「電車が遅れたから遅刻した」と話しても意味がない。それが相手を待たしたことの謝罪にはならないから。
■心理学は行動の学問
発言を気にするのではなく「どうしてその発言が出たんだろう?」と行動に関心を持つ必要がある。
■したくない話ほど前置きが長い
前置きだと思った場合は、話を横道にそらさない
■無意識を意識化すること
話して自らが自分の無意識に触れるように、話を聞いてあげるのが大切。無意識に抑圧している内容ほど触れて欲しくない話なので、無理に聞き出すと相手を傷つけてしまう。
■秘密の話1
秘密は言えないこと自体が重要。オープンになれば解決に向かうが同時に破滅も見えてくる。人を強制的に変革させてしまう。また秘密は他人にとっては軽いもの。
■秘密の話2
相手の秘密を数多く抱え込むと心を病んでいく。心を病まず、相手の秘密を知りたがる人間は相手を破壊することに興味がある人
■沈黙と間
相手の質問を待つ、心のつながっている沈黙と間も必要。特に悩みが深ければ深いほど、この力は必要とされる。
前の記事と通じるところも多いんですが、心のケアを目的としたカウンセラーでは考え方が違う部分があったため違う確度から「聞く」を学ぶことができ、参考になりました。
詳細は本を読んでいただくとして、気になった点をいくつか上げます。
■「しかし」「けれど」「でも」などの逆接の接続詞を出すと聞き手としては失格
聞き手は意見を言ってはいけないため。これは相手の意見を引き出すときに重要な考え
■相手からされた質問は「自分のことではなく、相手に関することがほとんど」
自分の聞いて欲しい話を、相手に質問する形で述べる。この手の質問には自分の意見を話す必要が無い。
■答えられない質問、答えがいくつもある質問こそ、大切な質問
「分からない」「難しい」も1つの答え。答えられない質問には答えないで相手の心を聞くのも重要
■素直に聞く
意見を言わずに、素直に聞く例
息子:「うちの学校の教師はアホばっかりだ」親:「へえ、お前の学校の教師はアホばっかりなのか」息子:「親父もそう思うか」親:「そら、そうだ(お前がそう思っているのだから、お前の中ではそうなんだろう)」
■オープンになる
相手に偏見を持たずに素直に受け入れること「あなたがそう思っているのであれば、あなたにとってはそうなんでしょ。」
■対等であれ
聞く態度の基本は聞き手と話し手が対等な関係にあること。それは話し手が子供であってもそう。
■言い訳をしない
⇒「電車が遅れたから遅刻した」と話しても意味がない。それが相手を待たしたことの謝罪にはならないから。
■心理学は行動の学問
発言を気にするのではなく「どうしてその発言が出たんだろう?」と行動に関心を持つ必要がある。
■したくない話ほど前置きが長い
前置きだと思った場合は、話を横道にそらさない
■無意識を意識化すること
話して自らが自分の無意識に触れるように、話を聞いてあげるのが大切。無意識に抑圧している内容ほど触れて欲しくない話なので、無理に聞き出すと相手を傷つけてしまう。
■秘密の話1
秘密は言えないこと自体が重要。オープンになれば解決に向かうが同時に破滅も見えてくる。人を強制的に変革させてしまう。また秘密は他人にとっては軽いもの。
■秘密の話2
相手の秘密を数多く抱え込むと心を病んでいく。心を病まず、相手の秘密を知りたがる人間は相手を破壊することに興味がある人
■沈黙と間
相手の質問を待つ、心のつながっている沈黙と間も必要。特に悩みが深ければ深いほど、この力は必要とされる。
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